技術・機械
return to top
Q01 Q J(ジュール)って何ですか?
A
エネルギー量の単位です、
1J(ジュール)は1W(ワット)の力を1秒使った時のエネルギ−
熱に換算すると約0.24カロリー(1ccの水を0.24度温度上昇させるだけのエネルギー)です。
脱毛機の場合は通常1回の発光で1センチ角あたりに照射するエネルギー量を示します、
機種によっては、1回の発光でヘッドから照射される全部のエネルギー量を示す場合もあります。
たとえば1cm*2cmのヘッドの場合、平方センチあたり20Jの出力を使用する場合、
機械の表示は機種によって20Jになる場合と40Jになる場合があります。
Q02 Q  レーザーと複合光線(フラッシュ・プラズマ等)はどう違うのですか
A レーザー光はその発生が共振による物であるため、
高エネルギーの光を発生しやすい光源です。
波長と位相がそろっているため発生した光をあつかいやすいのも特徴です。
単純な光学装置でも焦点を絞ったりビームにしたりしやすいため、
レーザーポインタ・CD等の読みとり・測量・通信などに使用されます
エネルギーが拡散せずにビームとしてねらった場所に当てる装置を作ることが比較的容易です。

しかし単一波長で有るがために、機種毎に効きやすい毛根の深さが集中します。
光が物質を透過する時はその物質が透明に近いほどそして波長が長いほど減衰が少なくなります。
電球の光は肌の表面が暖かいのに遠赤外線ヒーターだと体の芯が暖かくなったり、
肉眼では透けていない服が赤外線カメラでは透けてしまうのはそのためですが、
皮膚に当たったあと、その波長ごとにまた、肌の状態毎に発熱しやすい深さが決まってしまいます。
有効な深さを広げるならば、一番効きやすい深さから離れた深さでも効くだけの
出力を確保する必要があります。
そのため効きやすい深さでは過剰なエネルギーが皮膚及び毛根に与えられます。
この過剰が過ぎると、火傷や色素の沈着等の原因の一つになると考えられます。
熟練した医師の元ではきちんと出力管理と施術後の管理が行われるために、
火傷の痕が残ったり色素沈着が残ったりする危険は少ない物と信じています。
 フラッシュとか、プラズマとか呼ばれる複合光線式の場合は、
薬の使えない非医療機関で火傷の心配なく使用するために開発された物と考えても間違えではありません。
いろいろな波長の光を同時に当てることで効きやすい深さが集中することを防ぎ、
火傷の危険の無い程度に出力を押さえていながら、かつ、効果のある深さを広げるために開発された物です。
写真のストロボとほぼ同じ構造で、放電管内にキセノンガスを主とした混合ガスを封入し、放電時にガスがプラズマ発光することを利用しています。
そのため、フラッシュ脱毛とかプラズマ脱毛とか呼ばれています。
放電管でのプラズマ化した高温のガスが雲状に発光するため焦点が定まらず拡散しやすいので、発生した光をうまく肌に当てることが難しくなかなか実用化されませんでした。
拡散を防ぐ事と光源から肌の距離を一定に保ち安定して使用する事が必要なため、
反射用の鏡で作られた箱に光源を収め外に漏れないようにした物、
距離を一定させるためにサファイアガラスのブロックを使用する物などが作られました。
現在の主流はブロックを使用する方法ですが、一部に箱のタイプもあります。

 
Q03 Q 針脱毛の時、お店により通電時間が違うようですが、針にも方法がいろいろあるのでしょうか? 
A 針脱毛には、
直流法(電気分解法)・交流法(高周波法)・ブレンド法・フラッシュ法・絶縁プローブ高周波法等いろいろな方法があります。

直流法(電気分解法)
もっとも古い方法です。19世紀から行われている方法です。
毛穴に挿入した−電極(針)と体に取った+アース(通常は手で握ります)の間に、
通常1ミリアンペア以下の微弱な直流電流を流します。
電極周辺(毛穴の中)の体液が電気分解されてできる苛性ソーダ(NaOH)により、毛包内の組織を消化して毛を再生できなくする方法です。
通常は1本の毛の処理に30秒〜1分状況によっては3分程度の通電を行います。
家庭用の針脱毛の機械の多くはこの方法が用いられています。
毛の再生の非常に少ない(成功率の高い)方法です。

交流法(高周波法)
1920年代に開発された方法です。
毛穴に挿入した電極(針)に、高周波(1メガヘルツ程度)の電力を加えることにより電極の先端が温度上昇することを利用して毛包球を加熱し毛を再生できなくする方法です。
1本の毛の処理に行う通電は通常5〜15秒程度になります。
高周波の電力を使用するため体がアースの役目をするので、アースは不要です。
直流法よりは毛の再生が多くなります特に曲がった毛根などの成功率が低くなります。

ブレンド法
直流電流と交流電圧を両方使い処理する方法です。
直流法による苛性ソーダの効果を交流で加熱することで、交流法のように処理の時間を短くすると共に、直流法の様に成功率を上げるための方法です。
直流と交流を同時にかける方法・交流を先にかけてから途中に直流を流す方法、直流を流して置いて途中に交流をかける方法・さらに毛を取り去った後に直流をさらに毛乳頭のダメージを高める方法等いろいろなやり方があります。
1本の毛の処理に行う通電は交流法よりやや長めで、通常6〜20秒程度になります。

フラッシュ法
通常の交流法より出力を上げ短い時間加熱する方法です。
交流法の2倍程度の出力で、0.02〜0.5秒程度の通電を1〜4回行います。
針脱毛としては痛みの少ない方法ですが細くてまっすぐな毛以外では、
成功率はかなり下がると言われています。

絶縁プローブ高周波法
フラッシュ法同じような方法ですが使用する出力がかなり大きくなります。
電極の先端付近以外を絶縁した物を使用し毛穴の奥のほうを中心に温度を上げる方法です。
毛穴の奥の方を中心に周辺まで加熱する方法で、
立毛筋や休眠期の毛乳頭までダメージを与えることができます。
出力が必要なため交流ですが中立電極を使用します。
交流法の2〜3倍程度の出力で、1〜3秒程度の通電を行います。
術後は腫れあがることが多く、炎症が治まるまで1週間程度かかる事も有るようです。
火傷の治療が必要な場合もあります。
処理の性質上、麻酔や術後の薬による治療が必要となる場合が多いので、医療機関で行うべき処理法です。

特殊な通電テクニック
直流法(電気分解法)・交流法(高周波法)・ブレンド法共通のテクニックですが、
通常の1回の通電の後に毛を抜き取る方法以外に、
特に剛毛の場合などに成功率を上げるためにまれに行われる方法が有ります。
時間あたりの処理本数が著しく減り、また、特に熟練を要するためあまり使用されません。
PERT(電気脱毛後再挿入法)
  通常の電気脱毛の後毛穴にプローブを再挿入しもう一度通電する方法です。
PEET(電気脱毛前抜毛法)
  先に毛を抜き取ってから毛穴にプローブを挿入し毛包部を処理する方法です。
PEST(脱毛後挿入維持法)
  通常の通電を行った後、プローブを抜き取らずに毛だけ抜きその後再度通電する方法です。
剛毛の場合毛の太さのため毛穴の中心からプローブがずれ、
毛包部の片側に通電の不十分な部分ができる事を防ぐためのテクニックです。
毛を抜き取る事により、プローブが毛穴の中心に入れる事を利用し、より確実に毛包を処理する事と、
直流法やブレンド法の場合は、毛を抜き取った後にも苛性ソーダを作る事により、毛包の消化をより確実にするための方法です。
Q04 Q  IPL(I2PL)と従来の複合光線はどう違うのですか
A  IPLも複合光線式の一種です、従来の方法(シングルフラッシュ)と違うのは、
1発の照射でじつは何回もパルス状の発光をすることです。

上図は概念です黒い色で光が熱に変わり毛と周辺組織を暖めることで、
周辺組織より毛を高い温度にします
周辺組織は血流などで冷やされすぐに温度が下がりますが、
毛には血流がないので冷えにくいため、ある程度の時間蛋白質凝固点以上の温度を保ちます。
そのため毛に包まれた毛乳頭や毛母細胞が、周囲の組織以上にダメージを受ける。
というのが複合光線式の原理です。
さらに、周辺組織が冷えて毛が冷えないうちに照射を短時間内に何回も行えば、
より長時間毛の温度を高温に保つことができ、
周辺組織に対しより大きなダメージが毛乳頭及び毛母細胞に与えられると言うのが、IPLの、考え方です。
肌の色、毛の色、毛の太さなどにより、有効な発光時間と冷却時間の組み合わせが変わるので、
調整が複雑になるため、各メーカー独自のノウハウによる照射パターンを、操作者の入力した肌や毛に関する情報で選択するために、簡易なコンピュータの入った物が主流のようです。

Q05 Q  
A  
Q06 Q  
A  
Q07 Q  
A  
Q08 Q  
A  
Q09 Q  
A  
Q10 Q  
A  
return to top